おすすめTED No.002 ジュヌヴィエーヴ・フォン・ペツィンガー「ヨーロッパ中の洞穴に描かれた32個のシンボルの謎」

ヨーロッパ中の洞穴に描かれた32個のシンボルの謎

 

内容まとめ

古代ヨーロッパの洞窟壁画というものは大量に見つかっていて、時期としては1万年前~4万年前程度。

これらには芸術的価値だけではなく、 何らかの意味を持った抽象的記号が描かれている例も多い。そして古代人が絵を用いて何らかのコミュニケーションを行っていた可能性が推察される。

これらの記号を現代の科学でパターン化すると実はたった32パターンに絞られ、しかも3万年の間の広い地域でこれだけのパターンに絞られるということは驚異的。今は古代の記憶は失われてしまっているが、当時の人は意味がわかっていたかも知れない。

これらの記号が文字と同等であるということは言えないが、象形文字のように元の形が失われ変化しているような記号もあるし、文字を髣髴とさせるような記号も発見されている。これらの記号が文字というコミュニケーション方法の発見につながったかもしれない。

文字というものは世界各地で4000~5000年前の同時期に生まれた (ヒエログリフ、楔形文字、漢字)が、文字というアイデアは何もないところからぱっと生まれたのではなく、 確実に原型となるアイデアがあったのであろう。

そしてこのように記号が広く広まっていたということは、記号を用いたコミュニケーションの発想は人類の起源であるアフリカで生まれたのかもしれない。このコミュニケーション方法を発明したどこかの誰かは、確実に我々のコミュニケーションに革命をもたらしたのである。

 

感想

古代のコミュニケーションについて。そう言えば日本も中国から文字が来る以前の土器などに、文字の萌芽とも見れるような記号が掘られてるようなものがあったなんて聴いたことがあります。

古代人と言っても我々と同じホモ・サピエンスなわけで、文字はともかく絵を描く方式のコミュニケーションが記号に変わっていく発想ができたというのは納得できる話ですね。絵自体がそもそも現実の記号化・抽象化なわけですし。

洞窟に書かれた記号を見て「この印はこの辺に熊が出るってことだから注意だ」みたいなのを何万年に何百世代に渡って語り継いでたとしたならワクワクする。

講演者がまさにこの講演のテーマについての書籍を出版しているので、おすすめしておきます。